2010年11月25日木曜日

classical music_listening music_basic structure_sonata_audio equipment

(39)
ひとつの楽章を構成するするための基本の構造として使われる三種類の形式のそれぞれについて大雑把に説明しましょう。
ソナタ形式(sonata form
基本形は、序奏(無いものも多い)→提示部→展開部→再現部→結尾部の順序で進行するものです(主題とは、主要なメロディーのことです)。
・序奏がある場合には、ゆっくりと重々しく始まるものが多く、主題とは全く異なって主題とのコントラストを狙ったものと、主題を部分的に導くものとがあります。
・提示部では第1主題→第2主題の基本形が提示されます。ここでは主題を印象付けるための工夫がされます。
・展開部では第1主題と第2主題の両方またはどちらか一方をいろいろな方法で装飾したり変形したり、リズムを変えたり楽器を代えたりした変形形態がいくつか続けて演奏されます。この展開の仕方でこの楽章の面白さの大部分が決まります。
・再現部では、第1主題と第2主題の両方またはどちらか一方が、原形に近い形で楽器を代えたりして元の形を思い出させるように演奏されます。
・結尾部ではそれまでの要素のどれかを選んでいろいろ加工して盛り上がったたり逆に静かになったりして楽章の最後を締めくくります。どの作曲者も印象的な終わり方にするために知恵を絞っています。

これがソナタ形式と呼ばれる構成の基本構造ですが、これの変形になっているものも多いです。例えば、第3主題がある、主題と主題の間、主題の提示と展開部の間、展開部と再現部の間などに経過句と呼ばれるつなぎの部分があるなど、楽しめる音楽にするためにいろいろな工夫がされます。その工夫を見抜くのもクラシック音楽を聴く楽しみのひとつです。

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