2010年11月26日金曜日

classical music_listening music_variation_sonata_string quartet_audio system

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三部形式
起承転結の転の部分に当る楽章では、メヌエットまたはスケルツオと呼ばれる軽快な音楽が使われることが多いのですが、これらはほとんど三部形式と呼ばれるA-B-Aの形になっています。中間部と呼ばれるBは前後のAとは対照的な音楽になっていて、そのコントラストの付け方は作曲家の腕の見せ所になります。ここで意外な変化や絶妙の変化があると聴く人は喜びます。三部形式と言う単純な構造がそのコントラストを引き立てます。

変奏曲形式
変奏曲(variation)と言うのはある主題(メロディー)を提示した後、これを土台にして様々な方法で変化させて雰囲気を変えた曲をいくつか並べて提示する音楽です。作曲家が様々な工夫を凝らして、ひとつのメロディーに基づいてどれほど違う雰囲気を出せるかという腕前を見せびらかすものです。調性、リズム、テンポ、楽器編成の変化やポリフォニーなどを駆使して変奏すると一見全く別の音楽のように聴こえることもあるのですが、よく聴くと元のメロディーがちゃんと組み込まれているのです。聴く人は雰囲気の変化を楽しむだけでなく、その秘密を見破る楽しみもあるのです。変奏曲形式では少なくとも2、3種類大規模なものでは5種類以上の変奏が行なわれます。前に例として挙げた曲の中ではシューベルトの弦楽四重奏曲(死と乙女)の第2楽章、同じくピアノ五重奏曲(鱒)の第4楽章などがあります。

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