2010年10月12日火曜日

音楽を楽しむ

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クラシック音楽がしっかり聴こえるための「注意事項」の説明に入る前に、準備としてもう少し周辺事情をお話しましょう。まずは自己紹介の代わり、私のクラシック入門のいきさつと、私がどういう音楽の聴き方をしているかということを一通りお話しましょう。

音楽の楽しみ方にもいろいろありますが、最も楽しいのは自分が音を出すことでしょう。私もそうでした。これはちょっと低すぎるレベルの話ですが、小さい頃は茶碗の縁を箸で叩いて音を出すだけでも面白かったので、よく叱られました。初めて音楽というものが面白いものだと思ったのは、小学3年生か4年生のときに出た「長崎の鐘」という悲しい歌謡曲が、途中で転調してほんの少し明るくなることに気付いたことでした。もちろんその時は転調などという言葉は知りませんでしたが。

その前の年のクリスマスには、サンタさんにハーモニカをもらって吹き始めていましたが、もちろん普通のハーモニカでは転調はできません。それでお年玉でクロマチックのハーモニカを買いました。その後、いろいろな楽器もいじりました。どんなに下手でも何かの曲が何とか弾けるとそれなりに楽しかったのですが、その反面で、決してまともには弾けていないという欲求不満が常にありました。

一方、私は小学4年生のころからクラシック音楽も聴くようになりました。そのキッカケとなったのは、当時(昭和24年)毎週日曜日の朝8時5分から55分までNHKラジオの「音楽の泉」を聴いていたことでした。

父がいつも8時のニュースを聴いていました。それが終わると続いて「音楽の泉」という番組が始まったのです。堀内敬三さんという作曲家・評論家が簡単な解説のあとでいろいろな名曲を聴かせてくれました。時には一番上の弟も一緒に聴いていました。中学生になるまでに100回ほど聴いたことになるでしょう。

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