2010年10月15日金曜日

音楽を楽しむ

(7)
前回書きましたように、「よしっ」という前向きの気分になるのは、明るく力強い曲を聴いた時だけではありません。悲しい曲でも、寂しい曲でも、美しい音楽には感動して、聴いた後は気持ちがしゃんとするのです。悲しい音楽に感動したからといって、それを聴いている自分自身が悲しくなるということは決してありません。もちろん、楽しい音楽を聴いた時は楽しくなります。これはドラマなどを見たときでも同じではないでしょうか。考えてみれば不思議ですが心理学ではちゃんと説明がつくのかもしれません。ただし、俳優さんなどは演じている時に本当に役の人物と同じ心境になることがたまにあって、それを感情移入などと呼んでいるそうですが、俳優の場合は感情移入をしないと演技に迫力が出ないのかも知れません。しかし、暴力映画を見て感情移入する観客が居たりすると危なくてしょうがないですね。

音楽を演奏しているる人達は果たして感情移入しているのでしょうか。私にはどうもそうではないように思えます。やはり、どういう演奏をすれば聴衆が感動してくれるかということを冷静に考えて演奏しているような気がします。それがプロフェッショナルということではないでしょうか。そして悲しい曲を見事に演奏し終わったときは、おそらく嬉しい気分でしょう。

実際に良い音楽を聴いた時に感じる感覚や感情が、ドラマや歌などの言葉による表現で感じるものとどう違うのかということも私には分かりません。よく音楽は左脳を刺激し、言葉は右脳を刺激すると言われますが、それが具体的に心(脳)の動きにどういう違いをもたらすかということは、どの程度分かっているのでしょう。それには大いに興味はありますが、今のところ私の知識では音楽は「聴かなきゃ分からんし、言葉では伝わらない」と思うだけで、それを言葉で表現したり説明しようという試みは放棄しています。

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