2010年10月29日金曜日

enjoy music_classical music_challenge_speaker_headphone_music apparatus

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前回までに、クラシック音楽(classical music)には他の音楽にはない魅力があること、私達はクラシック音楽を楽しむ(enjoy music)ための条件に大いに恵まれていることを述べました。これらは全く間違いのないことだと思えるのですが、その割に実際にクラシック音楽を聴いている人は、音楽の全分野の中ではごく少数派でしかありません。それはどうしてでしょう。

私にとってもこれが長年の疑問でした。その内に先に説明したような聴き方の問題(お一人様状態で聴く、大きい音で聴く)に気付きました。しかし、それだけで全部解消する問題かというと、どうもそれだけでは十分ではなさそうです。「聴こえていればよい、だからただ聴いている」という状態よりも、もう少し積極的な姿勢が必要であるような気がします。

それは、好奇心と観察力、言い換えれば次のようなチャレンジ精神を持って聴くことではないでしょうか。
「名曲と言われているけれども本当に面白いのか」、
「どこがどう面白いのだ」、
「聴く者に何を伝えたいのか」、
「それを自分が確かめてやる」、
「もしも面白くなかったらもう聴かないぞ」
というような、あえて言えば作曲家に挑戦する(challenge)ような姿勢が少しあれば良いのではないでしょうか。

こういう気持ちが少しでもあれば、音楽を聴く時の意識の働かせ方がかなり変わって、面白さの発見につながるような気がしますが、いかがでしょう。もしそうなれば聴き終わった時の満足感もかなり変わって来ると思います。これは受身ではない、積極的な聴き方とでも呼べるでしょう。

こういう姿勢で音楽を聴くようになった人は、先に述べたクラシック音楽を楽しんでいる人の人材としての特徴、すなわち情報を正確に読み取る能力、物事に前向きに計画性を持って取り組む能力を獲得しつつあると言えるかもしれません。それでは、その時にはどういうところに意識を働かせながら聴けばよいのでしょうか。次はそれを考えて見ましょう。

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